
管理会社は入居者に責任を負わない!?
賃貸住宅に入居中の方からの相談で,頻繁にあるのが
「いくら言っても管理会社が動いてくれない」
という種類のものです。
同じ記事を数年前にも福岡パシフィック法律事務所のホームページで説明しているのですが、残念ながら記事を読んでいただけていないのか、今も全く同じご質問をしばしばされてしまいます。
すでに、過去の記事でご紹介しておりますので、詳しくはそちらをお読みいただければ幸いですが、結論だけ申し上げれば、弁護士に相談する前に、管理会社ではなく、大家さんに直接苦情を伝えるべきだ、ということになります。
さらに、ご質問で、
「このような不具合があるから家賃を下げてもらえるか?」
「退去するときの費用をもってもらえるか?」
などのお尋ねもありますが、それも管理会社が決めることではなく、大家さんが決めることです。
従いまして、そのような話は、弁護士に相談する前に大家さんと話し合ってみましょう。
それでも解決できなかったときに初めて弁護士に相談すべきです。
確かに、弁護士は、交渉などのお手伝いをさせていただいておりますが、交渉などのお手伝いをする場合の弁護士費用の相場は、15万円~35万円程度だと思ってください。
弁護士費用を全く念頭におかず、いきなり弁護士に対して交渉の相談をされる方もおられますが、弁護士としてこれまで様々な賃貸住宅のトラブル相談を受けてきた立場から申しますと、まずは、自力でできるだけの交渉をしてみて、それでも対応されないときに弁護士に相談しないと、費用がもったいないようにも思います。
これが賃貸住宅に快適に住めないという種類のお困りごとではなく、建築の瑕疵であったり、すでに裁判になっていたりなどのトラブルは、自力で解決しようとせずに、すぐに弁護士に相談したほうが良いです。
特にすでに裁判になっている案件は、1日も早く弁護士に相談すべきです。
しかし、賃貸住宅に快適に住めないという種類のお困りごとは、大家さんとお話しをして解決を目指し、それでも難しい段階で、弁護士にご相談いただいたほうが良いと思います。