不同意性交等罪
福岡市東区の男性が交際中の女子に対して不同意性交の疑いで逮捕とのニュースが報じられました。
このニュースについては、ネット上で
「交際中だから同意があったのでは?」
などのコメントがなされています。
かつて刑法177条で強姦罪という名称で呼ばれていた犯罪は、2017年に強制性交等罪へと改正され、さらに2023年7月に不同意性交等罪と改正されました。
現在の刑法177条は不同意性交等罪となっており、強姦罪とは構成要件(犯罪の成立要件のようなものです)が変化しています。
強姦罪では、13歳以上の女性に対し、男性が女性の同意なく姦淫することが要件でした。
そして、13歳未満の女性に対しては、同意があろうがなかろうが姦淫すると強姦罪が成立していました。
不同意性交等罪では、13歳未満の相手(女性だけでなく男性も被害者になります)に対しては、同意があろうがなかろうが姦淫(姦淫以外でも指を肛門に入れる行為等ほかにも8つの行為が法定されました)すると不同意性交等罪が成立します。
そして、13歳以上16歳未満は、加害者が5歳以上年上であれば、同意があろうがなかろうが不同意性交罪が成立します。
16歳以上は同意がない場合に不同意性交罪が成立します。
さて、冒頭の福岡市東区の男性が交際中の女子に対して不同意性交の疑いで逮捕とのニュースについては、被疑者の男性が、
⑴ 相手が16歳未満であること
⑵ 自分のほうが相手より5歳以上年上であること
の2点を認識していたようであると報道されています。
この場合、交際中であるとか同意があるとかないとかは無関係に不同意性交罪が成立してしまうことになります。
法律は、どんどん改正されますので、一般の方は改正を追いかけていくのは大変です。
ニュースの事件は去年の7月31日ころの事件だと報道されていますが、不同意性交等罪は去年の7月13日から施行されています。
札幌でも去年の7月31日の不同意性交等罪容疑で逮捕されたとのニュースを見たことがありますが、もしかしたら、本件も事件日としては全国的にも第1号に近い事件かもしれませんね。
弁護士の立場から言いますと、法律が改正されることにより、より良い社会、より現代の感覚に近いルールになっているように感じております。
当然ですが、刑法だけでなく他の分野でも最新の法律に従って社会生活や経済活動などを行うべきですので、トラブルや困ったことがありましたら、ぜひ弁護士までお問い合わせ下さい。