11月1日、西日本新聞『「ほう!」な話』に米田弁護士の記事が掲載されました。
ほうな話11月1日
「検察審査会という言葉を聞くことがありますが、誰が何を審査するのでしょうか?」という質問に対してこたえています。

検察官が犯罪を捜査して、裁判所に「この被疑者を刑事裁判にかけてください」と求めることを起訴といいます。この手続きは原則として検察官にのみ許された行為です。
ただ検察官は全ての事件を起訴するわけではありません。一般刑法犯の起訴率は1985年にはおよそ6割でしたが、2015年には39.1%にまで低下しています。不起訴になった被疑者の中に、本当は起訴されるべきだった人もいるのでは、と思う人がいるのも自然なことです。
そこで、選挙権をもつ国民の中からランダムに選ばれた人が、検察官が起訴を見送った事件について、判断が相当だったかどうか、審査するのが検察審査会なのです。09年の法律改正で、検察審査会が「起訴相当」と2回議決した場合、強制的に起訴できることになりました。
しかし国民目線で見直しても、やはり不起訴が相当だったと判断されることは多く、審査を経て強制起訴されても最終的に有罪となった事件は過去に数件しかありません。その意味では、検察館はそれなりに妥当な判断をくだしているともいえます。
検察官だけに委ねられていた起訴・不起訴の判断を市民が審査し、場合によってはそれを是正する。それを可能にした点が、市民の司法参加を認めた裁判員裁判制度と相まって、検察審査会の画期的な意味合いといえるでしょう。