弁護士ブログ

弁護士費用の概要

そもそもとして、弁護士に依頼をするという機会が日常的にないために、弁護士の費用についてどのようなものか知られていないことが多いです。

家を建築したことがある人は馴染みがあると思いますが、建築の場合の請負代金は、
1、着工金
2、中間金
3、完工金
と三段階に分かれていることが多いです。

また、着工金の前に、「手付金」を交付するということもよくされております。

弁護士費用の場合は、
1、着手金
2、終了時の報酬金
の2段階がスタンダードです。着手金の前に「手付金」を交付するということはほとんどありません。

福岡パシフィック法律事務所では、手付金というお金を請求したことはなく、ほとんどの場合が、着手金、終了時報酬金の2段階になっております。

このほかのパターンは、顧問契約で、月々3~5万円の定額でお仕事をさせていただくパターンと、交通事故の場合などにタイムチャージというパターンでお受けすることがあります。

成功報酬というマジックワード

ところで、事件終了時の報酬金を「成功報酬」という名称で呼ぶことがあります。

福岡パシフィック法律事務所では、この名称で呼ぶのは、誤解のもとだと考えており、成功報酬という名称は使っておらず、事件終了時の報酬金と呼んでいます。

極端な例をとりますと、たとえば刑事裁判にかけられた被告人を、弁護して無罪を勝ち得たとします。

この場合、ほんとうは犯罪をしておらず、真犯人が別にいたというような場合、無罪であることは当たり前だということで、
「無罪は当たり前だ。だってやってないんだもん。当たり前の結果になっただけで成功ではない」
と言って成功報酬は支払わない、というようなロジックを言う人がいます。

ここまであからさまに、悪質な言い方をする人は少ないですが、理屈上、ほとんど似たような話でたとえば相続の案件でも、相続財産に応じて報酬をお願いしたとします。

たとえば、その相続財産が110万円で解決したとしましょう。

「もともと、なにもしなくても100万円は相続されるべきですから、成功は110万円ではなく、10万円だけなんで、10万円の10%の1万円をお支払いします」
というようなことを仰る方もいます。

成功報酬という呼びたかですと、成功しているのだから支払うのは当然だ、と聞こえるのですが、成功という言葉は、人によって受け止め方が異なります。

なにをもって成功というか、幸せというか、事件解決というかは人の価値観なのかもしれません。

そこで、福岡パシフィック法律事務所では「成功」というマジックワードはあえて使用しておらず、終了時の報酬金と呼んでいます。

ですが、結局のところ、昭和の時代から日本弁護士連合会が終了時の「報酬金」として定めていたものと全く同じものを「終了時の報酬金」と呼んでいるだけです。
(なお日弁連の旧規定を見ても「成功報酬」という言葉が印字されていたものは目にしたことがありません。単に「報酬金」と印字されています)。

福岡パシフィック法律事務所では、この日本弁護士連合会が昭和の時代か平成の時代かに定めた民事事件についての「報酬金」と全く同じパーセンテージを今も維持しております。

事件終了時の報酬金について、独自の基準に従って高額請求をしていたり、逆に特別に、格安で集客をしようとしているつもりもなく最もスタンダードな金額に落ち着くよう配慮しています。

払わないとは言ってない

このように終了時の報酬金は成功報酬という言葉を使っておらず配慮しているにも関わらず、人によっては、勝手に
「成功したら成功報酬をたくさん出すから、着手金をまけてくれ。なんなら着手金無料、完全成功報酬でやってくれ」
と臆面もなく仰る方がいます。

弁護士に対し、弁護士業務の正当な対価を支払うという認識がなく、「成功」によりもたらされる利益を弁護士にも分けてあげるから、というようなロジックです。

たとえば、宝くじ売り場に行って、宝くじ300円10枚でワンセットだとします。これを10セット下さい、と言うと10セットだから3万円になりますよね。

これに対して、
「宝くじ1等が当たったら、3万円どころか、5万でも10万でも払ってあげるから宝くじ10セット下さい」
と言って、無料で宝くじを持って帰ろうとするようなロジックです。

宝くじ売り場の人としても、こんなことを言われても困ってしまって、
「それはできません」
としか言いようがありませんよね。

ところが、このような発想をする人は、自分の意見が正しいと信じ込んでいるので、なかなか引き下がりません。
「なんで?どこが不満なの?」
と言われるので、
「代金は3万円ですので、売買代金をお支払い頂けない限り、お売りできません」
というと、お決まりのパワーワードが飛び出します。

「払わないとは言ってないじゃん!ってか、むしろ5万でも10万でも払うって言ってるじゃん!」
と言われます。

この「払わないとは言ってない」のパワーワードが飛び出してくると、もはや、理屈が通用しないと感じざるを得ません。

言われた方にしてみれば、「正当な着手金は支払わないぞ」と言われたのと全く同じなのですが・・・。

さらに、「払わないとは言ってないのに、冷たく門前払いされた」まで言われると、カスタマーハラスメントだと感じざるを得ないでしょう。

実際には、ここまでの方は多くなく、体感的には1000人~1500人中10人足らず、という割合ですので、多くの方にとっては無関係ではありますが。

基本的には、弁護士費用は2段階に分かれていて、自分の望む「成功」に達しなければ無料になるというようなシステムにはなっていない、とご理解いただけたら幸いです。