管理会社は入居者に責任を負わない!?

賃貸住宅に入居中の方からの相談で,頻繁にあるのが

「いくら言っても管理会社が動いてくれない」入居者からの要求

という種類のものです。

福岡パシフィック法律事務所でも,このような質問はほぼ連日のようにお聞きしております。

中には,

「入居者から管理会社に責任追及したい」あるいは「管理会社として入居者に対し責任はないのか」

というような質問も多数お受けいたします。

もちろん,管理会社が入居者にたいして不法な行為をしたならば,不法行為責任を負うことはありますが,このようなことは稀です。

福岡パシフィック法律事務所でお伺いする限りでは,入居者様の皆様からの,上記の質問の趣旨は

「管理会社は管理するという仕事をするべきなのに,仕事をしていないから責任を負うべきだ」

という仕事をしなかった責任,すなわち債務不履行責任の趣旨であることがほとんどです。

結論から言いますと,ほとんどの場合,管理会社は入居者に対して債務不履行責任を負うことはありません

入居者は管理会社に対して「仕事をしてください」と依頼してお金を支払う個別の契約をしていないことがほとんどだからです。

入居者は大家さんに対して「ここに住まわせて下さい」と依頼してお金を払って契約をしています。

借家逆に大家さんは,入居者から家賃を受け取って,家を貸しています。

つまり入居者に対して,債務,すなわち仕事をしなければならないのは,大家さんであって管理会社ではないのです。

基本的に,入居者の方が,入居している物件について責任を負うのは大家さんだと考えてください。

管理会社の立場は!?

では管理会社とはいったい何なのでしょう。

一般的には,管理会社は,大家さんと管理契約を結んだ立場の者です。

入居者と契約を結んだ者ではありません。

管理契約の中身は色々ありますが,多くは家賃回収をメイン業務としています。

すなわち,大家さんのために家賃を回収する手伝いをするのが管理会社の立場です。

もちろん,管理契約の内容によっては,新規入居者の斡旋,退居時の精算,原状回復工事までおこなう管理会社も多いです。

しかし,入居者として理解しなければならないのは,これらの業務は大家さんのためにする業務であって,入居者のためにする業務ではないのです。

家を貸して管理をするというのは,大家さんだけでなかなかこなせるものではないので,大家さんが入居者のためにする業務を管理会社が肩代わりしているときもしばしばあります。

しかし,入居者との関係で,必ずしも管理会社が大家さんの全権代理を受けて入居者に対する責任をもっているかというと,そうは言えないことが多いのではないでしょうか。

福岡の賃貸借事情に照らせば,管理契約の管理料が家賃の5%程度でしたらかなり積極的な管理が行われている可能性がありますが,中には,空室時の新規入居者の斡旋の広告料のみで管理を行っているパターンもあり,このような場合だと,管理会社にいくら入居者からお願い事をしても管理会社が動いてくれないのは当然と言えます。

入居者は,入居物件についてなにか困ったことが有ったら,基本的には大家さんに連絡をすべきなのだと考えて下さい。

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